セラミックス用語集 さ行
セラミックスの種類や物性、セラミックス加工などに関する用語を簡単に解説します。
焦電性(焦電体)
Pyroelectricity パイロエレクトリシティ
温度変化によって電荷が誘起される性質を焦電性という。
焦電性をもつ物質を焦電体と呼び、セラミックスではPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどがある。 熱して冷えると静電気が発生して灰や塵を吸着する電気石(トルマリン)も焦電体。
この性質は、ぺロブスカイト型の結晶構造をもつ物質にみられる。 キュリー温度以上では安定し、それ以下になると自発分極を起こすが、空気中のイオンなどの付着により、中和状態となる。 しかし、温度変化があると分極電荷が表面に現れる。
焦電体は、圧電体の一種である。 圧電体の中でも通常から分極していて温度変化によって電荷が現れやすいものが焦電体である。
この様な性質を利用して、人が発する赤外線を感知して開閉する自動ドア、防犯カメラ、その他赤外線センサーを搭載した機器に組み込まれている。 主にPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)がよく用いられている。